問題行動の多い発達障害の子どもの対応ってどうすればいいの? 

✓ 子どもが困ることばかりする

✓ 注意をしてもやめない

✓ どうやってやめさせればいいの?

こんな悩みにお答えしていきます。

 

・問題行動をなぜ起こすのか
・注意ばかりは行動強化になるについて
・問題行動の対処法の紹介

 

僕は発達障害の子が通う放課後等デイサービスに3年勤務。

日々、問題行動と言えるものに対応しつつ、その行動を改善し(大人が)困らない行動へと変えています。

 

問題行動を起こす理由はただひとつ

それは、本人が得をするから。

大人から見て問題行動でも、行動をしている本人にとっては得をする行動になっているということです。

これを聞いて「たしかに。」と思う人はいませんか?具体的な例を上げてみます。

 

○ 問題行動の例

家で起こりうる問題行動を事例に考えていきます。

 

〈お菓子を買ってもらえないと癇癪を起こす〉

買い物に一緒に行くとお店の中を急に走り出す。行き先はお菓子コーナー。買ってほしいものがあると買うようにねだってくるが、買わないことを伝えると大きな声を出して泣き叫ぶ。それを見た周りからは「買ってあげればいいのに…。」とコソッと言われた。泣かせているわけにもいかず、お目当てのものを買ってあげると落ち着いた。

 

問題行動には必ず本人が得をしている部分があるのです。

 

この場合の得をしている部分はどこかわかりますか?

 

応用行動分析(ABC分析)で原因(得していること)がわかる

応用行動分析とは…

どんな状況(A)で、どんな行動が起き(B)、どんな結果が生じているのか(C)に当てはめて、細かく原因を探っていく方法

 

実際に先程の事例を応用行動分析を使って原因(得していること)を探ってみます。

 

〈お菓子を買ってもらえないと癇癪を起こす〉

どんな状況(A)→お菓子が買ってもらえない時
どんな行動が起きたか(B)→大声で泣き叫ぶ
どのような結果が生じたか(C)→お菓子を買ってもらえる

 

この問題行動(泣き叫ぶ行動)の得は、A. お菓子を買ってもらえる 。

 

簡潔に言うと誤った学習(誤学習)になっているということです。

 

では、正しい学習をしてもらうためにはどうすればいいのでしょうか。

 

誤学習を正しい学習へ

先行条件(A)を改善する
結果条件(C)を改善する 

 

これを当てはめて正しい学習を促します。

 

〈お菓子を買ってもらえないと癇癪を起こす〉

 

「泣くことでお菓子を買ってもらえる」という誤学習をしているため、

約束を守れたらお菓子を買う」という正しい学習を促します。

 

先行条件(A)→「お母さんのお買い物が終わったら最後にお菓子を買う」と約束
どんな行動をしたか(B)→約束を守る
結果条件(C)→お菓子を買ってもらえる

 

もし約束を守れなかったら??

 

絶対に絶対に絶対にお菓子を買ってはいけません。

子どもが泣きわめこうが、周りに小言を言われようが絶対に買ってはいけません。

 

何故か。

さらなる誤学習に繋がります。

誤学習をこじらせると、もう何を言っても聞かなくなります。

なぜなら、約束を守らなくてもお菓子を買ってもらえるという

誤学習をするからです。

 

○ それでも泣かれると困ってしまう方…

約束のレベルを落として守れそうな約束にするといいですね。

 

「お母さんの買い物が終わったら…」のレベルを落とすと

→ お母さんの手伝いを一つしたら。

→ 「買ってください」と伝えられたら

→ おかあさんといっしょにお菓子コーナーまで行くこと

こんな感じ。

 

誤学習をさせない上で大切なのは、「子ども主導」ではなく「大人主導」にすること。

子どもの言うことを聞いていたらエスカレートしてしまうので。

 

注意をしてもやめないのは注意されることが楽しくなっている。対応方法は?

題の通りで、注意をしてもやめないどころか行動がエスカレート。

その注意自体が彼らの得になっている場合があります。

これを【注目行動】といいます。

 

彼ら(健常児含む)にとって最大かつ至高のおもちゃって何だと思いますか??

 

それは【人】です。

人が反応してくれるって楽しいんです!!

何故か。

 

反応がすぐ返ってくるし、反応の仕方がいつも違うし、いつも近くにあるし、

おもちゃとしてはコスパ最高!!!!!というわけです。

ありとあらゆる手を使い、「反応してくれるためには…」ということを考え仕掛けてきます。

 

それに騙され、注意し、行動がエスカレート。また注意してはエスカレート。

キリがありませんね。そこで!!

 

療育施設で実践している効果的な方法を紹介いたします。

 

「あなたを見てる」を感じられるようにする

悪さで注目を集めるのは、いい姿で注目してもらえない場合があります。

「どうせいい姿を褒めろっていうんでしょ!いい姿なんてない!」という声が聞こえてきましたが…

当たり前にできていることに目を向けてみて。

 

きっと怒られること、注意されることがが多すぎて麻痺しているはず。

そんなとき、普段当たり前にできていることを褒められると、「ドキッ」とするかも。

 

自然と良い行動をして「ねえ、見て!」と褒めてほしいために注意を引いてくるようになるはずです。

これはこれで面倒に感じますが、問題行動をして注意を引かれるよりは

いいのではないでしょうか。

 

教育的無視をして反応しないことを徹底する

大人の顔色をうかがってやるような姿が見られたら、

気づいていないふりをして徹底的に「(教育的)無視」をしてみましょう。

 

「だめでしょ!」「いい加減にして!」「やめて!」

この言葉待ちで、実際には未遂で終わる可能性もあるので。

 

言いたくなってしまう気持ちもわかります。

でもそこを我慢してください。言ったら子どもの思惑通り(作戦勝ち)になってしまいます!

 

○ それでも無視できない場合もある

なぜなら「無視」は「許可」になり得るからです。

もっと簡潔に言うと、「その行動をしてもいいよ。(許可)」と言っていることになることもあるということです。

 

例えば…

・自分も相手も大怪我につながる行動

・第三者に多大な迷惑がかかってしまう場合 etc…

 

それでも言わなきゃいけないときはあるので見極めは必要になります。

じゃあそうなったら方法ないじゃんと思いますよね?

大丈夫です。最終手段があります。

 

罰を与え、褒美を消去

ここで言う「罰」は体罰のような力の罰ではありません。

※ 罰についてもう少し明確にしておくと…

楽しいことができなくなる、やりたいことをさせてもらえなくなる、欲しい物が手に入らなくなるなど

子どもの欲求を阻止・排除するのがここで言う【罰】とします。

 

・信頼関係がきちんとできていること
・最終手段であること(注意→警告→罰というような流れ)
・乱用しないこと(慣れにより効果がなくなる)

 

では、どのように罰を使うのかを具体例を上げてみます!

 

ご飯を食べずにお菓子ばかりを食べる子がいたとして。

茶碗をひっくり返したり食べ物を投げたりといくら言ってもだめ。

 

この場合はお菓子を食べさせないが罰になります。

いくら泣いてもお菓子を食べさせてもらえず、「食べたいなら(ごはん)食べて」と

繰り返し伝えるだけで、「食べなきゃもらえない」と学習するため食べるようになります。

 

もう一つ例を上げてみましょう。

 

ゲームが好きで何時間でもぶっ通しでやる子がいたとして。

やるべきこと(お風呂に入る、歯を磨くなど)をしなかった時。

 

この場合は「やりたいならやるべきことやる」を徹底し

守れなかったら没収という罰を与えます。

徹底することで揺るがない思いが伝わり、やるべきことをしたらやりたいことという流れが定着するでしょう。

 

大切なのは、揺るがない気持ちと「やりたいならやって」という徹底力。

やらないのなら褒美は与えない。好きなことだけをさせない。

 

簡単ですが根気が必要。

でもきっと、発達に遅れがある子どもの親(あなた)なら根気があると思っています。

 

いかがでしたか。

ここまで読んでくれてありがとうございます。さいごに。

【育てにくさを感じたら】早めの相談・療育をおすすめします

療育は子ども本人の「生きづらさ」を少しでも軽減するためのもの。

僕は「その子の未来」を考えて療育をさせていただいています。

 

子どもだから許される行動、子どもだから止められる行動は大人になるにつれて

許されない行動、止められない行動へとなっていきます。

 

発達障害だから信号を破っていい?発達障害だから人に迷惑をかけるのが当たり前?

違います。

発達障害といえど、よくも悪くも一人の人として見られるのです。

 

健常者なら考えればわかることは、発達障害を抱える方にとっては教えてもらうことでわかるのです。

小さいうちから「だめなものはだめ」「いいものはいい」と教えてあげましょう。

それが「僕たちにできること」「あなたにできること」です。

 

発達障害児に適切な支援が届きますように。

 

こうりんまる